フルトラ対応ゲーミングPC|フルボディトラッキング向け構成
「フルトラ」(フルボディトラッキング)は、腰や足にトラッカーを追加して、下半身の動きまでアバターに反映させるVRChatの遊び方です。歩く・座る・寝転ぶ・踊る——全身が動くようになると、VRの没入感は一気に変わります。標準のVRセットはHMDと両手コントローラーの3点トラッキングですが、ここに腰・両足を足した6点、さらに膝・肘・胸を加えた8点〜11点へと拡張していくのがフルトラです。
このページでは、フルトラがPCに求めるものを実装レベルで解説し、主要トラッカーの接続方式、トラッキング点数ごとの構成の目安、そしてフルトラに向いたおすすめBTOモデルをご紹介します。
こんな方に
- これからフルトラを始めるので、トラッカーと一緒にPCも準備したい
- ダンスイベントや集会、動画・写真撮影で全身の動きを使いたい
- トラッカーを増やしたら、接続が不安定になったり動作が重くなったりして困っている
- 今の3点トラッキングから6点以上へステップアップしたい
フルトラがPCに求めるもの
① IK計算とボーン処理の増加は「CPU側」の負荷
トラッキング点数が増えるほど、実際のトラッカー位置から全身の姿勢を推定するIK(インバースキネマティクス)の計算量が増えます。加えて、フルトラ勢が集まる場では動きの多いアバターが増えるため、ボーンや揺れものの処理も積み重なります。これらは主にCPUが受け持つ処理です。VRChatはもともとCPU負荷が支配的なゲームなので、フルトラを前提にするならCPUの余裕がいちばん効いてきます。
② USBポートとBluetoothの安定性
ベースステーション方式のトラッカーは、台数分の無線ドングルをUSBポートに挿す構成が基本です(製品によっては1つのドングルに複数台をまとめられます)。ポート数と給電に余裕がないと、トラッキングが途切れる原因になります。慣性式(Bluetooth接続)のトラッカーは、2.4GHz帯の電波干渉や同時接続数が安定性を左右します。BTOでは、背面USBポートが多いマザーボードや増設の相談も可能です。
③ SteamVRと常駐ソフトのぶんの余裕
フルトラ環境では、SteamVRに加えてトラッカーの管理ソフト、キャリブレーションツール、人によってはOSC連携や録画・配信ソフトまで常時動かすことになります。VRChat本体だけを想定した構成より、コア数とメモリに余裕を持たせておくと安心です。メモリは32GBを基準に考えるのがおすすめです。
④ フルトラで行く場所は「重い」ことが多い
フルトラを使う方の行き先は、ダンスイベント・大人数の集会・作り込まれたワールドが中心で、滞在時間も長くなりがちです。つまりフルトラ用PCは、実際には「大人数・重いワールドで長時間安定するPC」であることが求められます。想定より実効的にワンランク上の構成を選んでおくのが安全です。
主なトラッカーの種類と接続方式
| 製品 | トラッキング方式 | ベースステーション | PC側の接続と注意点 |
|---|---|---|---|
| HTC VIVEトラッカー3.0 | SteamVRトラッキング(Lighthouse) | 必要 | トラッカー1台につき専用USBドングル1個。台数分のUSBポートが必要で、セルフパワーのUSBハブ併用が定番 |
| HTC VIVE Ultimate Tracker | カメラ内蔵の自己位置推定(インサイドアウト) | 不要 | 専用ワイヤレスドングル1個で最大5台まで接続 |
| Tundra Tracker | SteamVRトラッキング(Lighthouse) | 必要 | 専用ドングル1個に複数台をまとめられ、USBポートの消費が少ない |
| HaritoraX ワイヤレス / HaritoraX 2 | 慣性式(IMUセンサー) | 不要 | Bluetooth接続(専用ドングルまたはPC内蔵Bluetooth)。専用ソフト経由でSteamVRに反映。2.4GHz帯の干渉対策が安定のカギ |
| mocopi(ソニー) | 慣性式(IMUセンサー) | 不要 | センサーはスマートフォンとBluetooth接続し、PCへはネットワーク経由でモーションを送信 |
※ベースステーション方式(Lighthouse)のトラッカーは、対応HMDや別売ベースステーションとの組み合わせが前提です。お使いのHMDとの相性もあわせてご相談ください。
トラッカー構成別の目安
| 構成 | 追加する部位 | できること | PC構成の方向性 |
|---|---|---|---|
| 6点トラッキング | 腰・両足(+HMD・両手) | 歩く・座る・寝転ぶなど、全身表現の基本がそろう。フルトラ入門の定番 | VR向けミドルクラス以上。CPU・メモリに余裕があるほど安定 |
| 8点トラッキング | +両膝 | 膝立ちや足の曲げが自然になり、ダンスの再現度が上がる | CPUに余裕のあるミドルハイ構成が安心 |
| 10〜11点トラッキング | +両肘(+胸) | 上半身の細かな動きまで再現。本格的なダンスやモーション撮影向け | 接続機器も常駐ソフトも増えるため、ハイクラス構成を推奨 |
※VRChatの快適さは、訪れるワールド・アバター・同時にいる人数・使用するHMDによって大きく変わります。本ページの記載は構成選びの方向性を示すもので、特定のフレームレートを保証するものではありません。
フルトラにおすすめのモデル
フルトラの負荷を受け止めるのは主にCPUです。大容量キャッシュでVRChatのようなCPU負荷の高いゲームと相性が良い3D V-Cache(X3D)搭載CPUを中心に、メモリ32GB標準・VRAMに余裕のあるモデルを選びました。


